「空からきた少女」031

「集められた頭脳」
 みんなの視線(しせん)を集めた部外者(ぶがいしゃ)の一人が、顔色を変えることなく面倒臭(めんどくさ)そうに答えた。
「それはこっちが聞きたいよ。われわれは呼ばれたから来ただけだ」
 チームリーダーはみんなに聞こえるように言った。
「探査(たんさ)の詳細(しょうさい)は私にもわからない。が、上の連中(れんちゅう)から、今回の探査にどうしても必要(ひつよう)な人材(じんざい)だ、と聞いています」
「われわれは兵器(へいき)を作るためにやってきたんじゃない」誰かが声をあげた。
「それは、もちろんです。しかし、私たちには運用(うんよう)の決定権(けっていけん)はありません。私たちの研究をどう生かすかは、この研究所の責任者(せきにんしゃ)が決めることです」
 会議室に重い空気がただよった。ちょうどそこに、チップメル教授(きょうじゅ)が顔を出した。教授は一同の注目(ちゅうもく)を集めてしまい、思わず後(あと)ずさった。
 チームリーダーがチップメル教授をみんなに紹介(しょうかい)した。その場にいた生物学者は、彼の名を聞き驚きの声をあげる。教授は宇宙生物の環境(かんきょう)による進化(しんか)についての第一人者なのだ。
 その時、天井(てんじょう)からモニターが静かに下りてきた。そこに映し出されたのはアールの姿。その場にいた全員に緊張(きんちょう)が走った。アールはそこに集められたメンバーに向かって、何の感情(かんじょう)も見せず今回の任務(にんむ)の説明(せつめい)を始めた。
<つぶやき>いろんな人の知恵(ちえ)と力を合わせると、今までに無かったものが生まれてくる。
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2017年03月17日