「空からきた少女」033

「極秘命令」
 アールは満足(まんぞく)げに言った。「ハンメル博士(はかせ)が関わっているのは間違いないだろう。今でも稼働(かどう)しているとなると、どんな進化(しんか)をとげているか予測(よそく)できない。そのつもりでいてくれ」
「いったい、どんなものを探すのですか?」リーダーが思案(しあん)顔で言った。「もっと詳(くわ)しい情報(じょうほう)がなければ…」
「我々(われわれ)がもっている情報はごくわずかで断片的(だんぺんてき)なものだが、後で届(とど)けさせよう。不測(ふそく)の事態(じたい)に備(そな)えて、万全(ばんぜん)なものに仕上げてくれ」
「しかし、その兵器(へいき)について詳しく分析(ぶんせき)して、充分(じゅうぶん)に対応(たいおう)できるように調整(ちょうせい)しなくては。それからでないと、送り込むことはできません」
「そこまで待つことはできない。後は実戦(じっせん)で調整してくれ。そういう機能(きのう)も備(そな)えているのだろう。それに、武器の搭載(とうさい)も可能のはずだ。さらに言えば、パワーも報告(ほうこく)されたものより数倍あると聞いている。違(ちが)うかね?」
 アールの言葉に、一同は黙(だま)り込んだ。開発の進捗状況(しんちょくじょうきょう)も把握(はあく)されているようだ。アールはさらに続けた。
「チップメル教授には、未知(みち)の宇宙生物についての対応データを早急(そうきゅう)に作成(さくせい)してもらいたい。その間に、搭載可能な武器を装備(そうび)させて、最終調整(さいしゅうちょうせい)を完了(かんりょう)すること。以上だ」
 アールが言い終わると、モニターは消された。ここでは、上からの命令(めいれい)には従(したが)わなければならない。研究を続けるためには、それが絶対条件(ぜったいじょうけん)なのだ。
<つぶやき>難しいことに挑戦(ちょうせん)する。その心意気(こころいき)があれば、成功(せいこう)への道が開けるかも…。
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2017年04月04日