「空からきた少女」025

「協力依頼」
 アールの合図で、部下の一人が電脳装置に小さな箱のようなものを置いてスイッチを入れた。次の瞬間、断末魔(だんまつま)のような警告音が鳴り響き、イゴールはすべての機能を停止した。
「何をしたんだ!」教授は驚いて駆け寄った。だが、もうどうすることもできなかった。
「どうやら寿命のようですね。残念です。われわれの研究所に来ていただければ、最新の電脳装置をご用意させていただきます」
「あなたは、私のこれまでの研究データをすべて消去したんですよ!」
 チップメル教授は怒りのあまりアールに詰め寄った。だが二人の部下にはばまれて、教授は息もつけないほど床に押しつけら身動きができなくなった。
「もういい。放(はな)すんだ」アールは部下たちに命令した。
 やっと解放された教授は荒い息をついた。その顔は恐怖のためか引きつっている。
「心配には及びません。あなたの研究データはすべて、われわれの研究所に転送しました」
「いつの間に…」
「あなたが会議に出席されていた時です。研究所には、あなたが必要とするすべてのデータが蓄積(ちくせき)されています。それも、最新のものがね。あなたは思う存分研究を進めることができるはずです。ただ、ほんの少しだけ、われわれに協力して下さればいいのです」
<つぶやき>アールの本当の目的は何なのか。不気味な感じですよね。これからどうなる?
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2017年01月04日