「空からきた少女」027

「ホイル研究所」
 アルメスは小型の惑星で、赤茶けた空と荒涼(こうりょう)とした大地が広がっていた。薄い大気に覆(おお)われていて、ひとたび風が吹けば砂を巻き上げて何もかも隠してしまう。生物にとっては過酷(かこく)な環境だった。こんな、何もない星に立ち寄ろうとする者など、いるはずもない。
 ホイル研究所はこの星の地下深くに造られていて、地上部分には監視(かんし)のための装置が置かれていた。研究所の入口近くには、小さな観測所にカムフラージュされた監視施設がある。研究所は地下で何層にもわかれていて、地上部とは違い快適な環境が維持(いじ)されていた。ここはグリークの秘密機関が管理していて、この巨大な研究施設の存在を知る者はごくわずかだ。他の連盟国にもまったく知られていない。
 ここにはいろんな種族の技術者や研究者が集められていた。それも、突拍子(とっぴょうし)もない考えの持ち主ばかりだ。言いかえれば、組織になじめないはみだし者や厄介(やっかい)者たち。そんな連中がここに集められている。彼らは変わり者ばかりだが、あらゆる分野のトップクラスの人材がそろっていた。彼らの考えは斬新(ざんしん)、奇抜(きばつ)で、並みの者には理解できない。
 この場所は通信も遮断(しゃだん)されていて、外部とは完全に隔離(かくり)されていた。ここに来たら、特別の許可がおりない限り外へ出ることは許されない。研究所の中でも監視システムが作動していて、彼らの行動や研究の進み具合を逐一(ちくいち)チェックしていた。
<つぶやき>宇宙にはいろんな星がある。気軽に行けないけど、想像の翼をひろげると…。
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2017年01月31日