「空からきた少女」024

「陰の力」
 チップメル教授は絞り出すように言った。
「でも、そんな機械を作ることができるのですか?」
「われわれは可能だと判断しました。もし兵器が稼働していれば、どんな形に進化しているか予測がつかない」
「稼働していないことを願いますね。そうでないと…」
「今、われわれは最高水準の研究者を集めて、探査装置の開発を進めています。それを完成させるためには、教授の知識が必要なのです」
「私の?」
「教授の宇宙生物学に関する研究は高く評価しています。ぜひ、協力していただきたい」
「それは…。まあ、私でお役に立つことがあれば…」
「では、われわれの研究所まで来ていただけますか?」
「ちょっと待って下さい」チップメル教授は慌てて言った。「私にも仕事があります。ここを離れるわけにはいきません。それに――」
 アールは手を上げて教授を制した。
「ご心配にはおよびません。あなたがここにいる理由は、何もありませんよ」
 アールはそう言うと、部下の二人に合図を送った。
<つぶやき>この後、教授の身に何が起きるのか。そこには、グリーク政府の陰の力が。
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2016年12月26日